2009年 08月 18日
モンゴルの旅 3 草原の香り |
ウランバートル空港をバスで出て、数分もすると広がる草原を見て、
今回のツアーの担当ガイドのハグアが、そういった。
なるほどなるほど。
日本には草原という感覚があまりない(と思う)。
直前までいた北海道東部は、牧草地帯が多かった。
これは大体4年に一度、土を掘り起こして、牧草の種を蒔いて育てるもの。
もっと話をさかのぼらせれば、その土地は森だったところを開墾したもの。
人の手によって、育てられている。
ここモンゴルでは、なだらかな丘が延々と続き、そこに自然に草が生えている。
そういえばこんな風景はチベットでも見たことがない。
飛行機の窓から見ていても、ゴビ砂漠を過ぎると、まるで海のような広さで
緑の丘が連なり、遊牧民のゲルが転々と続く。
同じ飛行機に乗った別のツアー担当の講師の三木昇さんは、
「雨が少ないから」と答えてくれた。
雨量が多ければ森林になるし、少な過ぎれば砂漠になる。
草原はその微妙なところにあるらしい。
草原を馬で、鉄の馬(マウンテンバイクのことです)で走ってみると、
おもしろいことに気がつく。
だだっ広い草原で、まるで変化がないようだが、
数百メートル(場合によっては数十メートル)走ると香りが変わる。
草原に生えている草の違いだ。
ハーブには疎いが、これはセージ? ローズマリー? タイム?
(スカボロフェアじゃないって・・・)
というくらい、いろいろな香りが展開する。
遊牧民は草の種類と生えている場所を把握し、
馬用、羊用、牛用、どの家畜にもNGなど、いろいろと使い分けているとか。
草原を何もないところ、変化がないといってしまうのはもったいない。
自然界の微妙なバランスの中にあって、いろいろな植物がせめぎあっている。
草の海。
いい言葉だなぁ。
by yamaniwa
| 2009-08-18 09:32